DORIとは?
IPカメラの画質評価基準を解説
現代の監視システムでは、IPカメラが広く使われています。IPカメラは、高品質な映像やセキュリティの向上に大いに役立っていますが、さまざまな製品が存在し、品質や性能の比較が困難な場合があります。この記事では、IPカメラの画質評価基準のひとつである「DORI」について解説します。
目次
DORIとは何か
DORIは、Detection(検出)、Observation(観察)、Recognition(認識)、Identification(識別)の頭文字を並べた単語です。これは、監視システムにおけるIPカメラの性能を評価するための指標です。DORIは、画像の解像度、レンズの焦点距離、被写体の距離などの要素を考慮し、カメラの機能性を評価するために開発されました。
PPM (ピクセル・パー・メーター)
DORIは、PPM(ピクセル・パー・メーター)という単位を使用して、カメラの性能をより具体的かつ定量的に評価することができるようになりました。PPMは、映像上で1メートルの距離を何ピクセルで表現しているかを示す数値の単位です。
次の各項目の右に記載している数値は、IEC EN62676-4:2015という国際標準で定義されています。
※国際規格IEC 62676-4(セキュリティアプリケーションでの使⽤向け映像監視システム - Part 4: アプリケーションガイドライン)に準拠
DORIの要素と評価基準
DORIは、4つの要素で構成されています。
(検出)人または車両が存在するか判断できる
(観察)衣服などの個人の特徴的な詳細を確認できる
(認識)個人が以前に見られた人と同じであるかどうかを高い確実性で決定できる
(識別)個人の識別が可能なレベル
『D』検出:Detection (25PPM)
Detection(検出)では、対象物(人物や車両)が存在するかどうかを検出する能力が評価されます。IPカメラは、どれだけ小さな対象物を検出できるかが重要です。
『O』観察:Observation (62PPM)
Observation(観察)では、対象物(人物や車両)の詳細な特徴を捉える能力が評価されます。例えば、衣服などの個人の特徴的な詳細を確認できるかが重要です。
『R』認識:Recognition (125PPM)
Recognition(認識)では、カメラが顔やナンバープレートなどの特定の要素を認識できるかどうかが評価されます。過去の映像と比較し、同じ対象物であるかどうかをほぼ確実に決定できるかどうかが重要です。
『I』識別:Identify (250PPM )
Identify[(識別)では、カメラが対象物を正確に識別できるかどうかが評価されます。例えば、顔の識別や細かな文字の読み取りができるかどうかが重要です。
DORIを知るメリット
DORI距離は、カメラの性能に基づいて物体がどれだけ近く見えるかを示します。その情報をもとに、ニーズに合ったカメラを選びやすくなります。
例えば、同じ400万画素のカメラでも、レンズの焦点距離が2.8mm、3.6mm、6mmの場合で、DORI距離は以下のように異なります。
DORI距離 | 2.8mm | 3.6mm | 6mm |
---|---|---|---|
D:検出(25ppm) | 43m | 80m | 120m |
O:観察(62ppm) | 17m | 32m | 48m |
R:認識(125ppm) | 9m | 16m | 24m |
I:識別(250ppm) | 4m | 8m | 12m |
製品比較がしやすい
DORIは、IPカメラの性能を比較するための評価基準として利用できます。購入者やシステム設計者は、それぞれの製品のDORIスコアを比較することで、最適なIPカメラを選択できます。
ニーズに合わせた製品を選びやすい
DORIによって、IPカメラの機能を総合的に評価できるため、顧客のニーズや環境に最適な製品を選ぶのに役立ちます。IPカメラが設置される場所や遠距離の監視など、具体的な要件に合わせたカメラを選ぶことができます。
システムパフォーマンスの向上
DORIスコアを利用して、適切なカメラを選択することで、映像のクオリティが向上し、詳細な情報が得られるため、監視やセキュリティシステムの効果が高まります。また、解像度や距離の適切な設定・設置により、遠くの対象物や細かい動きも正確に捉えることができます。
DORIを活用して最適なIPカメラを選ぼう
弊社のSeculaシリーズのカメラは、DORIに関する仕様が記載されている機種をラインナップしています。カメラを選ぶ際にDORIの値を参考にしてみてください。
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