P2P(ピーツーピー/ピアツーピア)とは?集約サーバーを介さない接続法
目次
P2P(ピーツーピー/ピアツーピア)とは
P2P(ピーツーピー/ピアツーピア)は、ネットワークに接続されたコンピューター同士がサーバーを介さずに直接通信する方式を指します。英語では「Peer to Peer」と表記され、PtoPとも略されることがあります。これに対して、コンピューター同士がサーバーを介して通信する方式は「クライアント・サーバー方式」と称されます。
クライアント・サーバー方式ではクライアントと呼ばれるコンピューターとサーバーと呼ばれるコンピューターが存在し、クライアントからの要求にはサーバーが応答します。ネットワークの概念では、サーバーが上位、クライアントが下位となっており、クライアントからの通信がサーバーに集中します。
これに対し、P2Pでは上位・下位の概念が存在せず、全てのコンピューターが等しく、そして独立して動作します。そのため、P2P方式には、大量のユーザーが同時にアクセスしても特定のサーバーに通信の負荷が集中しないという特性があります。例えば、大規模なオンラインゲームや動画配信サービスなどでこの特性が活かされています。
ソリッドカメラの取り扱っているカメラもP2Pを採用しています。
P2P通信の活用例
近年のIT技術の進展に伴い、家庭内にも多くのインターネット接続デバイスが増えてきました。スマートフォンやタブレット、さらにはスマートTVや家電製品まで、多くの機器がネットワークに繋がる時代となりました。このような状況下で、従来のクライアント・サーバー方式では、中央のサーバーへの通信が過度に集中し、サーバーの負荷が増大するリスクが高まりました。この問題を効果的に解決するのがP2P技術であり、そのため多くのサービスやアプリでの採用が進んでいます。
仮装通貨(暗号資産)
ビットコインなどの暗号資産では、銀行などの管理者を通さずユーザー間で直接資金を送受信するP2Pネットワークが採用されています。過去の取引はブロックチェーン上で管理され、P2Pに参加するノードによって分散されているため、高い耐久性とハッキング耐性が確保されています。
通話アプリ(LINE、Skypeなど)
無料通信アプリ「LINE」や「Skype」では、チャットでの画像や動画の送受信にP2P技術が使われており、サーバー負荷を減らして運営コストの削減につながっています。
ファイル共有ソフト(Winny、BitTorrentなど)
2000年代前半に普及したWinnyや、BitTorrentなどのファイル共有ソフトもP2P通信を採用しており、ユーザー間でファイル交換ができる仕組みです。しかし、違法なコンテンツの交換が問題視され、著作権侵害などで取り締まられるケースもありました。
ネットワークカメラにおけるP2Pの仕組み
ソリッドカメラ「Viewlaシリーズ」の映像視聴は、スマホやPCから専用アプリを通してカメラに直接アクセスする仕組みになっています。カメラの映像は第三者のサーバーを経由することなく、さらにパスワードなしでは視聴できないため、サーバー攻撃による情報漏洩の心配がありません。
また、P2PはIPカメラの設定を簡単にし、外出先からでもすぐに映像を確認できるようにしてくれます。専用アプリをインストールし、カメラのIDやパスワードを登録するだけで接続可能です。
P2P方式のネットワークカメラの危険性とは?
2004年頃からファイル共有ソフト「Winny」による情報流出が多発し、P2P通信の危険性が問題視されました。P2P方式のネットワークカメラは簡単に接続できる利便性が魅力ですが、設定が不十分な場合、覗き見の危険性が高まるとされています。過去には、パスワードが初期設定のままや、単純な数字の組み合わせだったために、監視カメラの映像が世界中で流出する事件も発生しました。
ネットワークカメラを安全に利用するためには、パスワードの管理が重要です。パスワードを他人に知られないにする、強固なパスワードを設定するなどのセキュリティ対策を行うことで、ネットワークカメラを安全に使用することができます。
P2Pのメリット・デメリット
メリット
●通信するコンピューターが増えても特定の機器に負荷が集中しない
クライアント・サーバー方式では、通信するコンピューターが増えれば増えるほどサーバー、及び、サーバーが繋がるネットワーク回線の負荷が高まります。P2P通信はサーバーを介さないため、クライアント・サーバー方式に比べ、通信が安定しやすくなっています。
●障害への耐性(影響の度合い)
P2Pはコンピューター同士が個別に通信を確立するため、特定の機器に障害が発生しても、全体への影響はありません。クライアント・サーバー方式ではサーバーの障害によって全体への影響が発生します。
●情報漏洩の心配なし
P2Pはサーバーを介さないため、サーバー攻撃による情報漏洩の心配がありません。
●匿名性が高い
P2Pではデータがコンピューター上に分散しているため、通信の特定が困難です。
●安価にシステム構築が行える
高価なサーバーを用意する必要がないため、安価にシステム構築できます。
デメリット
●安全な接続先の確認が重要
P2Pはコンピューター同士で通信するため、悪意のある第三者に繋がってしまった場合、直接危険に晒されます。そのため、信頼できない通信先とは接続しないようにする必要があります。
●パスワード管理が重要
第三者にパスワードを知られた場合、情報が漏洩する危険性があります。カメラのパスワードはなるべく初期設定から変更しましょう。
ほかにもパスワードを安易に他人に教えないこと、推測されにくいパスワードを設定すること、そして定期的にパスワードを変更することが大切です。
ソリッドカメラのViewlaシリーズならパスワードの安全な管理が容易にできます。
P2Pカメラ活用のヒント
かつて日本では、P2P技術を採用した有名なファイル共有ソフト(Winny)に対する誤解により、P2Pへのマイナスイメージが先行してしまいました。しかし、正しく使用すれば安心安全に利用できる技術であることが再認識され、今では多くのIT機器やサービスで活用されています。
IPカメラにおいても大変有用な通信技術であり、その特性からIPカメラのコストパフォーマンスの向上に貢献しています。
P2Pカメラを安心安全に使用するために、正しいITリテラシーを持つことを心がけましょう。
お客様の満足を
サポートします!