防犯カメラ・監視カメラのソリッドカメラ TOP 防犯カメラ・監視カメラと周辺知識 RAID(レイド)とは? 監視カメラの録画データを安全に保存する仕組みを解説
お役立ちコラム

RAID(レイド)とは?
監視カメラの録画データを安全に保存する仕組みを解説

RAID(レイド)は、複数のHDDを利用して、監視カメラ(防犯カメラ)の録画データを安全に保存するためのレコーダーの機能です。RAIDは冗長性(バックアップ機能)を向上させることで、データの信頼性を高めます。

監視カメラ(防犯カメラ)の運用において、録画データは非常に重要です。記録を残すことでトラブルを防止できるだけでなく、時には犯罪の証拠にもなります。

しかし、HDDには様々な故障のリスクがあり、故障や破損によってデータが失われる可能性があります。近年ではHDDの性能も向上しており、故障しにくくなってはいますが、それでも100%安全とは言い切れません。

そんな時に役立つのがRAID(レイド)機能です。本記事ではRAID(レイド)の意味と種類・仕組みを解説いたします。

RAID(レイド)とは?

RAID(レイド)とは、複数のHDDにデータを分散または複製することで、監視カメラ(防犯カメラ)の録画データを保護する機能です。HDDの台数やデータの書き込み方法により、RAID 0からRAID 10までの種類があります。

RAID(レイド)の仕組み

RAID(レイド)は、2台以上のHDDをまるで1つのドライブのように認識させ、使用することで書き込み速度の向上やデータの冗長性(バックアップ性)を高められる仕組みです。

簡単に説明すると、1つのデータを2つのデータに分割して、2台のHDDに同時に書き込むことで、処理の時間を短縮できます。また、2台のHDDに同じデータを保存する方法もあります。

どちらか1台が故障しても、もう1台がバックアップとして機能するため、監視カメラ(防犯カメラ)に向いている方法です。

RAID(レイド)の種類

RAID(レイド)は、HDDの台数とデータの保存方法により4種類に分類できます。


RAID 0(ストライピング)

RAID 0(ストライピング)は、データを複数のHDDに分散して書き込む方法です。2台のHDDであれば、1つのデータを2つに分割し、3台のHDDであれば、1つのデータを3つに分割といった具合です。

データを分散して書き込めるため、データの書き込み速度が向上します。ただし冗長性(バックアップ性)は、1台のHDDと変わらないため、データ保護という面では脆弱なので注意が必要です。

RAID 0(ストライピング)

RAID 1(ミラーリング)

RAID 1(ミラーリング)は、2台のHDDに同じデータを保存する方法です。データを書き込みながら、バックアップも同時に作るので、データの安全性を高められます。ただし、録画したい容量の倍の容量を確保する必要があります。


RAID 5/6 (パリティ付きストライプ)

RAID 5/6(パリティ付きストライプ)は、3台以上のHDDを使うことで、データの書き込み速度、安全性の両方を高められる方法です。

例えばHDDが3台とすると、1台にパリティデータを保存し、残りの2台にデータを分割して保存します。

パリティデータとは、誤り訂正補正とも呼ばれ、HDDが故障した際に復元に使われる暗号データのことです。パリティデータが保存されていることで、いずれか1台のHDDが故障しても復元できます。


RAID 10(ミラードストライピング)

RAID 10(ミラードストライピング)は4台以上のHDDを必要とする手法です。4台のHDDであれば、2台のHDDでRAID 1を2組作り、その2組のRAID 1をRAID 0として使用します。

つまり、ミラーリングした2つのRAIDをさらにストライピングすることで、RAID 0とRAID 1の特徴を合わせ持ちます。

具体的には、データの書き込み速度の高速化やデータの保存性に優れている一方で、保存できる容量はHDD容量の半分です。

RAID(レイド)のメリット・デメリット

監視カメラ(防犯カメラ)の機能性を高めるためには、RAID(レイド)のメリット・デメリットについて押さえておく必要があります。

RAIDの手法によっては、目的に合わない場合もあるためです。

RAID(レイド)のメリット

RAID(レイド)を構築するメリットは、データの冗長性(バックアップ性)とデータの書き込み速度の向上です。

データの冗長性(バックアップ性)の向上

RAID(レイド)は、データを記録すると同時に、バックアップデータやパリティデータを保存することで、1台のHDDが故障しても復旧・復元できるのがメリットです。

データの冗長性(バックアップ性)を高められることは、監視カメラ(防犯カメラ)のセキュリティ性能を高めることにもつながります。

ただしRAID 0(ストライピング)は、データの冗長性を高められないので注意してください。

データの書き込み速度の向上

RAID(レイド)は2台以上のHDDに、1つのデータを分散して保存することで、データの書き込み速度が向上します。

高画質の監視カメラ(防犯カメラ)の場合でも、スムーズに書き込み処理をできるのが魅力です。

ただし、RAID 1は分散してデータを保存しないため、書き込み速度の向上が見込めない点に注意してください。

RAID(レイド)のデメリット

RAID(レイド)は監視カメラ(防犯カメラ)の性能を高められますが、デメリットもあります。

複数台のHDDが必要なため、費用がかかる

少なくとも2台以上のHDDが必要になるため、その分費用がかかります。必要な容量をしっかり確認してから購入しましょう。

RAID(レイド)機能搭載のレコーダーはサイズが大きい

複数のHDDを搭載できる分、NVR(レコーダー)のサイズは大きくなります。安全に置ける場所を確保しましょう。

データを安全かつ効率的に保存するために避けては通れないデメリットですが、購入前に対策をしておくことでカバーできます。

RAID(レイド)機能の注意点

RAID(レイド)を構築したら絶対に安心というわけではなく、運用には注意点があります。

またトラブルが発生した際には、復旧・復元する必要がありますので、対処方法についても理解を深めましょう。

RAID(レイド)機能の注意点

RAID(レイド)を構築すると、データの安全性が保たれると安心するかもしれませんが、運用方法を間違えるとデータを失うリスクもあります。ここでは運用時の注意点について紹介します。

自動的にデータは復元・修復されない

RAID(レイド)のありがちな勘違いは、「複数のHDDがそれぞれ監視し、データが破損すると自動的に復元・修復される」です。

RAID(レイド)はバックアップデータやパリティデータを保存しますが、自動的にデータを復元・修復する機能はありません。そのため、定期的にHDDやデータに破損がないかをチェックする必要があります。

2台以上が壊れるとデータが破損する

RAID(レイド)はデータの冗長性(バックアップ性)を高められますが、2台以上のHDDが壊れるとデータも破損するため、注意が必要です。

強制終了などでディスク異常が発生する

RAID(レイド)は複数のHDDにアクセスしているため、強制終了などによりシステムを停止するとHDDの異常が発生するリスクがあります。

障害発生時の対処方法

RAID(レイド)で故障した場合は、一般的にシステムを停止して、RAIDの再構成(リビルド)を行う必要があります。

しかし、RAID(レイド)の復旧や再構成(リビルド)には専門的な知識が必要になるため、業者に依頼することも検討しましょう。

また、複数のHDDが故障した場合は復旧できません。そのような場合に備えて、日ごろから定期的にバックアップを取ることが大切です。

RAID(レイド)機能を搭載したレコーダー

RAID(レイド)機能は「どのような利用方法の場合に、あると便利なの?」、あるいは「どのようなレコーダーがあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

そこでこの章では、RAID(レイド)機能の活用シーンや搭載レコーダーを紹介します。

RAID(レイド)機能を搭載したレコーダーの活用シーン

RAID(レイド)機能は、撮影したデータを長期間、安全に保存する必要があるケースに適しています。

そのため、必要となるのはビジネスシーンがほとんどでしょう。とくに機密データや金銭を扱う場所では必須ともいえる機能です。

RAID(レイド)機能を搭載したレコーダー

ソリッドカメラでは、RAID(レイド)機能を搭載した監視カメラ(防犯カメラ)用レコーダーとして、「SCL-N032N01」と「SCL-N064N01」を取り扱っています。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

製品名SCL-N032N01SCL-N064N01
製品画像
Secula N032N01
Secula N064N01
チャンネル数32CH64CH
SATA8(HDD1台につき10TB)16(HDD1台につき10TB)
※ホットスワップ対応
e-SATA21
容量最大80TB最大160TB
RAID0 / 1 / 5 / 6 / 100 / 1 / 5 / 6 / 10

※ホットスワップとは、稼働状態のままHDDの装着・交換・抜去が可能なこと

より高性能なRAID(レイド)機能を搭載したレコーダーをお探しの方には、「SCL-N064N01」をおすすめします。

まとめ

一般的な監視カメラ(防犯カメラ)はHDDのデータが破損してしまうと、録画データを確認できなくなります。そのような事態を避けるには、RAID(レイド)機能でデータの安全性を高めることが有効です。

しかし、RAID(レイド)にもデメリットがあり、絶対安心・安全というわけではありません。RAID機能搭載のレコーダーに加えて、こまめなバックアップで安全性を高めましょう。

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